車の維持には多くの費用がかかり、それらが積み重なると予想以上に高額になります。しかし、節約できる知識を知れっていれば大幅に維持費を抑えられます。ここでは節約できる9つの維持費とその方法をご紹介します。

車の所有に必要な維持費
車を所有する際に必要な維持費用には、いくつかの種類があります。以下は一般的な支出項目です。
- 自動車税
車を所有していることに対して毎年支払う税金です。車の排気量に応じて額が変わります。 - 自動車重量税
車の重量に基づいて課される税金です。購入からの経過年数によって税額が異なります。
新車購入時や車検のタイミングで、車検証の有効期間分(初回は3年、その後は2年)をまとめて支払います。 - 車検費用
車両検査(車検)を定期的に受けるための費用です。車の年式や状態によって異なりますが、通常は2年ごとに必要です。 - 保険料
自動車保険には、対人対物保険、車両保険、無保険車傷害保険などがあり、それぞれの保険料がかかります。 - ガソリン代
車を走らせるための燃料費です。車の燃費や走行距離によって変動します。 - メンテナンス費用
オイル交換、タイヤ交換、ブレーキパッドの交換など、定期的なメンテナンスや修理にかかる費用です。 - 駐車場代
自宅や職場近くで車を駐車するための費用です。都市部では特に高額になることがあります。 - 高速道路料金
高速道路を利用する際に発生する通行料金です。 - 車のローン
車両をローンで購入した場合、毎月の返済額がかかります。
しかし、維持費の中には1~4などの購入時に費用が決定するものもあります。そのため購入後における維持費の削減については、4以降の項目に限られます。
そのため、できれば購入時からこれらの費用を把握し、予算を立てることで、車の所有にかかる費用が抑えらます。
車の維持費を抑える方法(購入時)
上記はどれも車の所有に必要な維持費ですが、実は節約できるものばかりです。その方法を一つ一つ見ていきましょう。
1. 自動車税を抑える方法
自動車税は車を所有していることに対して毎年支払う税金で、主に車の排気量に応じて額が変わりますが、環境性能や車種に応じて以下のような節約方法があります。
- エコカー減税を活用する
環境に配慮したエコカーや低排出ガス車を買うことで、政府による減税措置が適用されることが多いです。例えば、環境性能割といい、ハイブリッド車や電気自動車などは、購入時に減税が受けられる場合があります。また、軽自動車は通常の普通車よりも自動車税が低く設定されています。
また、地方自治体によっては、一定の条件を満たすと自動車税が軽減されるプログラムを実施していることがあります。これらの情報を確認し、必要に応じて申請すると良いでしょう。 - 車の年式を確認する
年式の古いモデルの車(新規登録から13年以上経過したガソリン車、ディーゼル車は11年以上)は自動車税が約15%増加します。年式が古すぎる車はメンテナンス費用がかかることも考慮する必要があります。そのため、中古車を選ぶ際には、所有したい年数やメンテナンス費用のバランスを見極めることが重要です。 - 車の排気量を確認する
自動車税は排気量によって異なります。一般的に、排気量が小さい車は税金が低くなります。例えば、1.5リットル以下の車や軽自動車は排気量の大きな車よりも税金が安くなります。都市部での移動が主な場合は、コンパクトカーを選ぶと良いでしょう。
2. 自動車重量税を抑える方法
主に車の重量に基づいて課される税金ですが、自動車税と同じく、環境性能や車種に応じて以下のような節約方法があります。
- 車両重量の軽い車を選ぶ
自動車重量税は車両重量に応じて課税されるため、軽量な車を選ぶことで税額を抑えられます。 - 軽自動車を選択する
軽自動車は普通車に比べて自動車重量税が低く設定されています。エコカー減税対象の軽自動車なら、さらに税額を抑えられます。 - エコカー減税を活用する
環境性能の高い車を購入すると、自動車重量税が大幅に軽減されます。例えば、電気自動車やプラグインハイブリッド車は、新車新規登録時に100%減税(免税)となります。 - 燃費性能の高い新車を選ぶ
2020年度燃費基準達成率に応じて、25%から100%の減税が適用されます。例えば、2020年度燃費基準+90%達成車は、新車新規登録時と初回継続車検時に100%減税されます。 - 新車購入のタイミングを考慮する
令和5年5月1日から令和8年4月30日までの間に新規検査を受ける環境性能の優れた車は、自動車重量税の減免措置が適用されます。
3. 車検費用を抑える方法
- Web申込限定の割引を利用する
オンラインで車検を予約することで、人件費削減分が割引として還元されることがあります。 - 早期予約割引を活用する
多くの業者が早期予約に対して割引を提供しています。1年前、半年前、3か月前などの予約で割引が適用されます。 - リピート割引を利用する
前回と同じ業者で車検を受けると、リピート割引が適用される場合があります。 - 平日割引を利用する
平日に車検を受けることで割引が適用される場合があります。混雑も少なく、丁寧な点検が期待できます。 - エコカー減税を活用する
環境性能の高い車両は、自動車重量税の減税対象となる可能性があります。 - 最小限のサービスに絞る
車検に直接関係のない部品交換や点検、車内清掃などを除外し、必要最小限のサービスに絞ることで費用を抑えられます。 - 複数社から見積もりを取る
複数の業者から見積もりを取り、価格を比較します。相見積もりを利用して値引き交渉することも効果的です。 - 日々のメンテナンスを行う
日頃から点検やメンテナンスを行うことで、車検時の余計な部品交換を避けられます。
4. ローンの支払いを抑える方法
- 残価設定型クレジットの利用
車の将来価値を最終回の支払いとして据え置くことで、月々の支払額を軽減できます。 - 金利の低いローンを探す
- 比較ショッピング
複数の金融機関やディーラーを比較して、最も低い金利を提供しているところを選びましょう。 - クレジットスコアの確認
良好なクレジットスコアを維持することで、より低い金利が適用されることがあります。 - プロモーションを利用
金融機関やディーラーによっては、特定の時期に金利が低くなるプロモーションを行っていることがあります。
- 比較ショッピング
- 連帯保証人の追加
信用力の高い連帯保証人を付けることで、より有利な条件でのローン契約が可能になる場合があります。 - 頭金を多くする
- 大きな頭金を支払う
車の購入時にできるだけ多くの頭金を支払うことで、借入額が減り、総支払額が減少します。 - ボーナスや貯蓄を活用
ボーナスや貯金を頭金に充てることで、ローンの総額を抑えることができます。
- 大きな頭金を支払う
- ローンの期間を短くする
- 短期間のローンを選ぶ
ローンの期間が短いほど、総支払額が減少します。金利が少なくなるためです。 - 余剰金で繰り上げ返済
余裕があるときに追加で返済を行うことで、ローンの期間を短縮し、総支払額を減らすことができます。
- 短期間のローンを選ぶ
- ディーラーローンを避ける
- 金融機関から借りる
ディーラーローンよりも金融機関から借りる方が金利が低いことが多いです。 - 事前に融資を確保する
ディーラーと交渉する前に、銀行や信用組合で事前に融資を確保しておくと、交渉力が高まります。
- 金融機関から借りる
- ローン契約の内容をよく理解する
- 隠れた費用を確認
ローン契約に隠れた手数料や費用がないか確認し、不明な点は金融機関に問い合わせましょう。 - 早期返済ペナルティを確認
- 隠れた費用を確認
- ローンの借り換え
より低い金利のローンに借り換えることで、月々の支払額や総支払額を減らせる可能性があります。
車の維持費を抑える方法(購入後)
4. 保険料を抑える方法
- インターネット割引を活用する
多くの保険会社がオンラインでの契約に対して割引を提供しています。これは簡単に適用できる割引の一つです。 - 早期契約割引を利用する
保険の満期日より前に契約を更新すると、早期契約割引が適用される場合があります。割引額は約400円~600円程度です。 - 運転者限定割引を検討する
補償の対象となる運転者を限定することで、最大7%の割引が適用される可能性があります。 - 新車割引を活用する
新車登録後49ヶ月以内の車両は、最大19%の割引が適用される場合があります。 - 電気自動車割引を利用する
電気自動車で一定の条件を満たす場合、1,000円の割引が適用されることがあります。 - ゴールド免許割引を利用する
ゴールド免許保持者は保険料が割引される場合があります。 - エコカー割引を活用する
環境性能の高い車両に対して割引が適用される場合があります。 - 複数の割引を組み合わせる
例えば、インターネット割引と早期契約割引を同時に適用することで、さらに保険料を抑えられる可能性があります。 - 保険証券不発行割引を利用する
紙の保険証券を発行せず、Webページ上で確認する形式にすることで、数百円の割引が適用される場合があります。
5. ガソリン代を抑える方法
運転方法の工夫
- 発進と加速を穏やかにする
- 止まっている状態から発進する際は、ゆっくりとアクセルを踏む
- 5秒かけて時速20kmまで加速することを目安にする
- 急加速を避け、エンジンブレーキを活用する
- 車の積載量に注意
- 不要な荷物は降ろし、車の重量を軽くする
- 荷物の重さが燃費に直接影響するため、積載量を最小限に抑える
給油時の節約テクニック
- 給油方法の工夫
- セルフスタンドを利用(2〜5円/リットル安くなる)
- 近場のガソリンスタンドを選ぶ
- 半タン給油で車両重量を軽減(0.5〜1%の燃費改善)
- 割引サービスの活用
- ガソリンスタンドの会員割引(1〜2円/リットル)
- クレジットカードのポイント還元
- 電力会社のガソリン割引サービス
長期的な節約戦略
- 車両選択
- ハイブリッド車や燃費効率の良い最新車種への乗り換え
- 電気自動車や燃料電池車の検討
- メンテナンス
- こまめなタイヤ空気圧チェック
- 定期的なエンジンオイル交換
- 代替手段の検討
- カーシェアリングの利用
- 可能な限り公共交通機関の活用
6. メンテナンス費用を抑える方法
車のメンテナンス費用を抑えるための効果的な方法がいくつかあります。
- セルフメンテナンスを行う
専門的な知識が不要な簡単なメンテナンスは自分で行うことで、出費を抑えられます。ただし、初めての作業は必要な工具の購入費用も考慮しましょう。 - こまめにメンテナンスを実施する
定期的なメンテナンスにより、小さな不具合を早期に発見し、大きな修理費用を回避できます。 - 車に優しい運転を心がける
急発進や急停車を避け、短距離走行を減らすことで、各パーツの負担を軽減し、消耗品の寿命を延ばせます。 - 複数の業者から見積もりを取る
整備工場やカー用品店、ガソリンスタンドなど、複数の業者から見積もりを取り、料金やサービス内容を比較します。 - メンテナンスプラン付きのカーリースを検討する
月々の定額料金にメンテナンス費用が含まれるカーリースを利用することで、予期せぬ出費を抑えられます。 - 良質で低価格な整備工場を見つける
技術面と価格のバランスが取れた信頼できる整備工場を探すことで、長期的にメンテナンス費用を抑えられます。
これらの方法を組み合わせることで、車のメンテナンス費用を効果的に抑えることができます。ただし、安全性を損なわない範囲で節約することが重要です。
7. 駐車場代を抑える方法
駐車場代を抑える方法には以下のようなものがあります。
- より安い月極駐車場を探す
- 自宅周辺を実際に歩いて探す
- インターネットで検索する(PMCマンスリーパーキングなどのサービスを利用)
- 舗装されていない駐車場や機械式の立体駐車場は比較的安い傾向がある
- 駐車場をシェアする
- 特Pなどの駐車場シェアサービスを利用し、使っていない時間帯に貸し出す
- 初期費用0円で始められ、自分の都合に合わせて貸し出し可能
- 予想以上に需要があり、駐車場代以上の収入を得られる可能性がある
- 提携サービスを活用する
- デパートやショッピングモールの駐車場で、買い物をすると無料になるサービスを利用する
- マンションの外部貸し駐車場に借り換える
- 自宅マンションの駐車場より、近隣のマンションやオフィスビルの外部貸し駐車場が安い場合がある
これらの方法を組み合わせることで、毎月の駐車場代を効果的に抑えることができます。特に、駐車場シェアサービスは初期費用がかからず、自分の都合に合わせて利用できるため、試してみる価値があります。
8. 高速道路料金を抑える方法
高速道路料金を抑えるための主な方法は以下の通りです。
- ETC割引の活用
- 平日朝夕割引
平日の6:00~9:00と17:00~20:00に利用すると、月間利用回数に応じて最大50%還元されます。 - 休日割引
土日祝日に利用すると、普通車・軽自動車・二輪車は30%割引されます。 - 深夜割引
0:00~4:00に利用すると、30%割引されます。ただし、2024年頃に22:00~5:00に拡大される予定です。
- 平日朝夕割引
- ETC周遊パスの利用
NEXCO各社が提供する「ETC周遊パス」を利用すると、特定のエリア内で乗り放題になり、最大50%オフになる場合があります。 - ETCマイレージサービスへの登録
ETCマイレージサービスに登録すると、利用金額に応じてポイントが貯まり、それを高速道路料金の支払いに使用できます。 - 時間帯の選択
割引が適用される時間帯を選んで走行することで、料金を抑えられます。 - ルート選択の最適化
目的地までの最も経済的なルートを選択することで、総額を抑えられる場合があります。
これらの方法を組み合わせることで、高速道路料金を効果的に抑えることができます。ただし、割引制度は変更される可能性があるため、最新の情報を確認することが重要です。
まとめ
今回は車の維持費を削減するための方法について紹介しました。これらの方法を実践することで、車の維持費を大幅に節約し、家計の負担を軽減することができます。小さな努力が必要ですが、ぜひ参考にしてください。

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